住宅ローンを完済したら、ご自宅に設定されている(根)抵当権の抹消登記をする必要があります。

住宅ローンを担保する(根)抵当権は、建物1棟と土地1筆など、複数の不動産に設定されていることがほとんどです。また、住宅ローンの他に諸費用ローンを利用しているケースでは、それぞれの不動産に複数の(根)抵当権が設定されていることもあります。
抹消登記手続きは、不動産ごと・(根)抵当権ごとに行うのが原則ですが、複数の不動産に設定された複数の(根)抵当権を一括して抹消できる場合があります。法務局に支払う登録免許税にも影響するため、必ず押さえておかなくてはいけないポイントです。

不動産の所有者・(根)抵当権者・抹消原因がそれぞれ同一である場合、この(根)抵当権の抹消登記は一括して申請することができる。

抹消原因とは、「年月日弁済」のように、その(根)抵当権が消滅した原因のことです。住宅ローンの完済による(根)抵当権抹消の場合、抹消原因が異なることはまずありません。所有者・(根)抵当権者・抹消原因がそれぞれ同一なのであれば、複数の不動産に設定された(根)抵当権・同一の不動産上に設定された複数の(根)抵当権、これらの抹消は一括して申請することができます。
(不動産登記令第4条但し書・登記研究367号)

反対に、例えば、住宅金融支援機構のフラットと取扱金融機関の通常融資を組み合わせて利用されているようなケースでは、(根)抵当権者が異なるため、分割して登記申請をする必要があり、登録免許税も2倍かかってしまいます。

加えて、不動産の所有者が異なるケースはどうでしょうか。お父さんの土地の上に息子さんが自宅を建てた場合や、土地は旦那さん名義で建物は夫婦名義になっている場合など、司法書士の仕事をしていると頻繁に見かけるケースです。お心当たりの方も多いのではないでしょうか。

同一の債権を担保する(根)抵当権が複数の不動産に設定されている場合、この(根)抵当権の抹消登記は一括して申請することができる。

不動産の所有者が異なるケースでも、そこに設定されている(根)抵当権が同一の住宅ローンを担保しているものであれば、一括して抹消登記の申請ができるという結論になります。
(不動産登記規則第35条10号)

まとめ

(根)抵当権の抹消は、不動産ごと・(根)抵当権ごとに行うのが原則ですが、例外として、所有者・(根)抵当権者・抹消原因がそれぞれ同一であれば、一括して申請をすることができます。所有者に関しては更に例外があり、(根)抵当権が同一の債権を担保するものであれば、所有者の異なる複数の不動産に設定されている場合であっても、やはり一括して申請することが可能です。(根)抵当権抹消手続きをする際には、これらの例外をうまく使って、費用を節約しましょう。

えん司法書士事務所は、単なる手続代行に終始するのではなく、より良い解決方法を皆様に寄り添い考えます。(根)抵当権抹消手続きでお困りの方は、是非弊所までお問い合わせください。

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